2016年10月24日

『セントラルパーク津久見店』での取材

 先週の木曜日と金曜日の2日間、取材のため大分県津久見市を訪れました。沖縄から津久見へは、那覇空港から福岡空港までの空路とJR博多駅からの陸路を合わせて約6時間。博多駅から特急「ソニック」で終点の大分駅まで行き、宮崎行きの特急「にちりん」に乗り換えてさらに40分ほどかかります。車窓からは収穫直前の稲穂が黄金色に輝いて見え、また町のあちこちにはキンモクセイの甘い香りが漂っていました。沖縄ではまだ最高気温が30度を超える日が多いのですが、大分の秋はすっかり深まっていました。

 津久見市は大分県の南東部にあり、豊後水道に面しています。北に臼杵市と、南に佐伯市と接しています。基幹産業としては、天然の良港があり、かつ石灰岩の産地であることからセメント工業が発展。サンクイーンや清見などの柑橘類の栽培と、マグロをはじめとする漁業が盛んです。

 取材では、パチンコホール『セントラルパーク津久見店』のバックヤードにおいて、同店を運営する株式会社 セントラル カンパニーの力武一郎代表取締役社長、そして同店の櫻井店長、平島副主任をはじめとするスタッフの方々に、主に依存(のめり込み)の問題への対応について、お話をうかがいました。力武社長は、パチンコへの依存(のめり込み)をいち早く問題提起し、業界団体に働きかけてリカバリーサポート・ネットワーク(RSN)設立に深くかかわった、いわばRSN「生みの親」のお一人です。力武社長には、自店舗での依存(のめり込み)問題への対応についてだけでなく、活動開始から10年が経過したRSNの活動について、また最近のパチンコ業界についても聞いてきましたので、RSN機関誌「さくら通信」などで記事にしていきたいと思います。

 隣町の臼杵や佐伯には、九州の大手ホールチェーン企業の系列店があります。また道路事情にもよりますが、車で1時間ほどかかる大分や別府の巨大商圏にはナショナルブランドのホールチェーン企業が進出しています。ですが津久見市内のパチンコホールは現在、『セントラルパーク津久見店』1店舗のみ。地域住民に占める高齢者人口の割合が高いことを反映して、特に平日昼間の顧客には高齢者層の比率が非常に多くなっているとのことでした。

 同店における接客面での最大の特徴は、『セントラルパーク津久見店』ではスタッフの一人ひとりが「お客様リスト」をつくっているということです。リストには個々のお客様の特徴やお客様とのやり取りが書き込まれていて、その情報をスタッフ間で共有します。スタッフは、特に注意が必要だと思われるお客様については、コミュニケーションと観察を通して、パチンコやパチスロの遊技機の好みや利用する遊技料金の価格帯だけでなく、家庭環境や性格、お財布事情までを想像し、のめり込みの問題が起こってはいないかを見守ります。気軽に声をかけてもらえるような話しやすい雰囲気づくりも重要です。「店長を呼んで来い」というクレームや「出らんなー」といった愚痴があっても、それらは実はスタッフに話を聞いてもらいたいだけだった―――という時もあったそうです。

 パチンコを取り巻く環境は急速に変化しています。パチンコが勝ち負けよりも時間消費型の娯楽としての性格をさらに強めていったとき、またパチンコホールが高齢化のすすむ過疎地において、残り少なくなった人の集まる施設としてコミュニティにおける存在感を高めていったとき、パチンコとパチンコホールに期待される役割もこれまでとは変化せざるを得なくなります。

 顔認証技術や位置情報処理技術の発達によって、お客様をデータに還元し処理する技術が日進月歩の進展を見せています。ですが依存(のめり込み)の問題はデータに置き換えられたお客様像からは見えてこないのではないでしょうか。この問題は、顔の見える人格的な、そして社会的な関わりの中で像を結ぶお客様像からのみ、ぼんやりと見えてくる問題であると思われます。

知的情報サービスセンター 平田
posted by RSN at 16:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記