2017年01月05日

閉鎖系から開放系へ

 明けましておめでとうございます。RSNでも本年の業務を本日より再開いたしました。旧年中はたいへんお世話になりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 RSNは、「ぱちんこ依存問題相談機関」です。私たちが業務上で直接に関心を持つ領域は、パチンコ産業(パチンコ業界)と依存問題の2つとなります。依存問題の領域では、依存問題の解決を目的に活動する自助グループのほか、精神疾患として依存の問題と関わってきた精神医療(精神医学)、行政の窓口となる社会福祉・精神保健福祉の分野、そしてNPOに代表される市民活動の分野とリンクしています。さまざまな領域・分野を横断していることが大きな特徴です。私個人のことを言えば、最近の10年ほどはパチンコ産業の取材に集中していたために、依存問題の領域は新鮮で刺激的な一方で、これから勉強しなくてはならない領域や事柄が目の前に山積みとなっています。

 パチンコ産業と依存問題という2つの「業界」を見比べた場合、依存問題の「業界」は前述の通り、医療、行政、福祉、市民団体など、さまざまな分野が重層的に絡み合って成立しており、その裾野はかなり広範に拡がっていると言えます。もう一方のパチンコ業界は、他の領域からの独立性が高く、他の領域(極端に敷衍すれば一般社会)との関係性や相関性が希薄であると言えそうです。パチンコに無縁な人から見れば、パチンコ業界はブラックボックスとなっており、まるで独立した小宇宙のように見えるそうです。昨年12月のIR推進法案(カジノ法案)についての論議において、日本でいわゆる「ギャンブル依存症」をつくりだしている最大の発生源として、パチンコ産業がマスコミからだけでなく一部の依存問題「業界」からもバッシングを受けました。そのような事態を招いたのは、パチンコ産業が、多数派の日本人にとっては得体の知れない、なんだかよくわからない未知の存在となってしまっており、恐怖心や警戒心を抱かれているからであったと思われます。

 「依存症」がパチンコ産業に対するバッシングの切り口となったのは、多くの日本人にとって「パチンコ=依存症」という等式が説得力を持つようになっているという既成事実があるからでしょう。多数派の日本人にとってはパチンコに関して「依存症」以外の情報が届かない状態となっているのかもしれません。このことは、パチンコ産業からパチンコの「小宇宙」の内側にいる人たち向けの情報は出されてはいても、外側の一般社会へは効果的に発信されていなかったと解釈することができます。

 閉鎖系から開放系へと変わる――パチンコ産業の現在的な課題はここにあるのではないでしょうか。良いことも悪いことも、さまざまな情報をありのまま一般社会に向けて発信していき、乖離した小宇宙であることをやめて、一般社会へと復帰することを目指してみてはいかがでしょうか。依存の問題は、パチンコ産業を攻撃する「口実」となりました。ですがこれは、多くの人がパチンコに関して「依存症」という言葉しか情報を持たなかったからなのかもしれません。この依存の問題は、ネガティブで、しかも曖昧、かつ断片的な情報ではありますが、パチンコ産業と、その小宇宙の外にある一般社会を結びつける細い糸口ともなっています。カジノについての議論をきっかけにパチンコ「依存症」へ焦点が当てられたこの機会に、パチンコ業界は全力でこの問題に取り組み、またその取り組みを社会に発信していくべきでしょう。

 これまでもパチンコ産業は幾度もピンチをチャンスに変えてきました。業界が本気で取り組めば、今回も乗り切ることができると信じます。

AGFJ 平田
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