2017年04月12日

「相談体制を更に充実させる必要がある」との指摘

 昨年12月に「特定複合観光施設区域の整備の推進に関す法律」(通称「IR推進法」)が成立・施行されてから、ぱちんこを含む「ギャンブル等」の依存問題対策が、内閣、政党、関係省庁、業界団体、事業者の各レベルそれぞれに急ピッチですすめられてきました。3月31日に関係閣僚によって構成される「ギャンブル等依存症対策推進関係閣僚会議」が「ギャンブル等依存症対策の強化に関する論点整理」(以下「論点整理」)を決定し公表したことにより依存問題対策は、政策を策定する段階から政策を実施し具現化させていく段階へと移行したと言えるでしょう。年度が変わるちょうどその日にひとつの区切りを迎えたというところに、お役所的なスケジュール観を感じます。大雑把に言って、1月はブレーン的な立場の人が素案の策定を行い水面下での調整を図る時期、2月は事業者、業界団体、関係省庁など、各レベルで政策を取りまとめる時期、3月は各レベル間をまたいだ調整を行い、政党、政府に上げていく時期であったのかな、という印象を受けています。

 「論点整理」は、「第1 はじめに」、「第2 我が国におけるギャンブル等依存症の実態」、「第3 競技施行者・事業者の取組」、「第4 医療・回復支援」、「第5 学校教育、消費者行政等における対応」の5章で構成されています。「第2」において、政府機関である日本医療研究開発機構の委託を受けた久里浜医療センターによる「ギャンブル等依存症」についての平成28年度予備調査の結果が示され、過去12カ月以内の「ギャンブル等依存症が疑われる者」の割合を成人の0.6%と推計しています。「第3」では、競馬・競輪・オートレース・モーターボート競走の公営競技とぱちんこについて、依存問題対策の「現状」と「課題」が指摘されました。

 ぱちんこの依存問題対策では、取り組むべき次の8項目について、それぞれ「現状」と「課題」が示されました。この認識は、ぱちんこ業界の所管官庁である警察庁の認識と見なすべきであると思われます。
   1 リカバリーサポート・ネットワークの相談体制の強化及び機能拡充
   2 18歳未満の者の営業所への立入禁止の徹底
   3 本人・家族申告によるアクセス制限の仕組みの拡充・普及
   4 出玉制限の基準等の見直し
   5 出玉情報等を容易に監視できる遊技機の開発・導入
   6 営業所の管理者の業務として依存症対策を義務付け
   7 業界の取組について評価・提言を行う第三者機関の設置
   8 ぱちんこ営業所における更なる依存症対策
 1番目に挙げられたRSNの「課題」を、以下に引用します。
「RSNの相談者に対して、今後よりきめ細かな対応を行うためには、相談体制を更に充実させる必要がある。
 また、ぱちんこへの依存問題を抱える人の家族に対して、RSNにおいて相談を受け付けていることについての情報発信を強化し、家族からの相談をより多く受け付けられるようにする必要がある。
 加えて、RSNの相談者等のぱちんこへの依存問題を抱える人に、ぱちんこへの依存問題に詳しい専門医等を紹介することにより、専門性の高い医療等をより身近で受けられる環境を作る必要があるほか、ぱちんこへの依存問題を抱える人は、経済的な問題等も併せて抱えていることが多いことから、それらの問題に対する相談体制についても整備することが望ましいと考えられる。」

 政府から一NPOが活動にあたっての「課題」を指摘されるという事態には、そのスタッフの末席にたまたま連なった者としても、不思議な感慨を憶えます。そして、ただ感慨を覚えているだけではなく、専門的なトレーニングを積んだ電話相談員の補充を前提とする「相談体制を更に充実させる」ということは容易ではないと、気づいています。
 ぱちんこ業界ジャーナリストのPOKKA吉田氏は、自身の発行する業界誌『SEQUENCE』4月号で、「RSN機能強化」は「一朝一夕にできるようなことではない」として、次のように書いています。
「RSNの機能強化ということで、人員をホール企業から派遣していこう、ということを全日遊連は考えているが、派遣された人員がすぐに戦力になるとは限らないため、スタッフ教育という視点も重要になる。期間を四半期で区切り、四半期ごとに2名ほどの派遣を全日遊連は想定しており、まずは4月から阿部理事長の会社のスタッフが派遣されることになっているという。スタッフを派遣する企業やその人の適正、そして教育などの視点から、では派遣が始まったらRSNが即機能強化となるのかどうか、そこはある程度時間はかかることだろう。」

 「相談体制をさらに充実させる」ためにホール企業よりいらっしゃる方は、その企業からの出向としてRSNに着任されると聞いています。RSNの事務所では、3月中に相談員のいる島(ブロック)の机を、4席から6席に増やしました。また、つい先日、相談回線を4ラインから6ラインに増やし、電話機も増やしています。いつからいらっしゃるのかまだわかりませんが、事務所が賑やかになりそうです。

AGFJ 平田
posted by RSN at 14:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記