2016年10月11日

沖縄の大衆酒場

 沖縄では最近、低価格帯の居酒屋、いわゆる「大衆酒場」が増えています。この大衆酒場ブームの火付け役となったのは、那覇・牧志の公設市場近くの「足立屋」です。宜野湾にある同名の店舗が2014年に支店としてオープンさせました。店舗責任者へのインタビューを連載するブログ「沖縄良店」によれば、店舗モチーフは東京都足立区にある居酒屋とのこと。「足立屋」は、牧志にもう1店舗、さらに与那原、沖縄市コザにも系列店を出店しており、急速に店舗数を増やしています。「足立屋」の特徴は、ドリンク・食事メニューともに価格帯が1品数百円〜500円程度と安価なこと、沖縄料理のメニューがほとんど無い一方でホッピーや電気ブラン、キンミヤ焼酎など東京の居酒屋でよく見かけるドリンクメニューが揃っていること、牧志の店舗にはドリンク3杯+料理1品で千円というお得なスタートメニューの「せんべろ」があること、などです。

 「ひとり飲み」、「昼飲み」、「立ち飲み」といった習慣が根づいていなかったこともあって、以前には大衆酒場に対するニーズは小さかったと思われます。最近になってこのジャンルの店舗が増加しつつある要因としては、経済格差の一層の拡がり、アジアからの観光客や本土からの移住者の増加による社会の構成員と価値観の多様化、職場や親族、模合などによる会合の減少による旧来の居酒屋への需要減などを指摘することができそうです。また、牧志やコザなど中心市街地のアーケード商店街が空洞化して出店へのハードルが下がりつつあることも、新規の大衆酒場の出店を後押ししているのでしょう。

 タウン誌『おきなわ倶楽部』10月号の特集は「おきなわneo大衆酒場」でした。宜野湾「足立屋」責任者の當山氏はブログのインタビューですでに店舗コンセプトを「ネオ大衆酒場」と言及しており、同店が最近の大衆酒場ブームを牽引してきたことを特集のタイトルは裏づけています。特集ページには「足立屋」以外にも、日本酒バルや立ち飲みスタイル、トロ函スタイルなど、沖縄では目新しい形態の店舗が紹介されています。

 東京に沖縄の料理店が多くあるように、沖縄に新橋や上野の大衆酒場があってもいいのでしょう。「沖縄では泡盛にチャンプルー」という『常識』が通用しなくなる日が来るのも、そう遠くないのかもしれません。

知的情報サービスセンター 平田
posted by RSN at 15:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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